つれづれじぐま

産業カウンセラーのこと、社労士のこと、日常のこと等をなんとなく書き綴ります。

今日はごはん作りから開放

今日は昼は旦那が、夜は娘がごはんを作ってくれたので、ごはん作りから開放されました。すごく嬉しい。そして人が作ってくれるものはおいしい。待ってるだけでごはんが出てくるってこんなに幸せなんだ!!

娘は暑い暑いと言いながら作ってました。

そうよ。台所は暑いのよ。

君はカレーだけだけど、ママはいつも汁も副菜も作っているし、台所時間もっと長いんだから!!と言いたいところをぐっとこらえる。

その暑さや大変さを少しでもわかった上で、いつものごはんを食べてくれると嬉しいなぁ。

当たり前は当たり前じゃないのだと、お互いに思えたらいいな。

疲労が溜まったかな

なんだか朝から体がだる重い。
何か特別な理由は精神的にはないと思うのだけれど、ずーんと肩から下が重たい感じ。イライラもひどい。
休めのサインだと思って夕方少し仮眠。
でもとれない。
今日は早く寝よう。
やらなきゃは沢山あるけど走り続けることはできない。
週休1日の疲れがきたかなぁ。

建て売り売れちゃった。

狙ってた向かいの建て売りは売れちゃったらしい。
前に関わりがあったイマイチ営業マンから電話があって、ローン審査が通ったら完了らしい。
そっかぁ~。ご縁がなかったなぁ。
買えるギリギリだけどもう少し安くあって欲しいし、まだ基礎工事しか終わってない。
どんなものができるかわからないものよりは、建ってから決めたい。
そして安くなって欲しい(2回目)。
買っても困らないように、写真を撮ったりしてたからちょっと愛着が沸いてきてたのかも。
でも高いし、そのメーカーの家の壁10年以下なのに黒くなってる家何軒かあるしなぁって悩んでいたのさ。
まぁ売れちゃったなら仕方ない。
壁が黒くなる心配しなくていいかっ。
どんな人が引っ越してくるのかな?
向かいだからなぁ。
家的には子供もいるはずだ。
知ってる人だったりして!!?

その他社労士登録をして

その他社労士登録をしてもうすぐ1ヶ月。
何が変わったか?
変わったことはないのだけれど、先生と呼ばれるのに少し慣れたかも。
積極的に研修に参加して1ヶ月で3回受けたから3回呼ばれただけなんだけどね。
まぁ3回研修受けた今月は会費のもとがとれたかな。
次に懐かしい人達の近況が聞けた。
なにせ業界が狭いから、研修を受けに行くと初めましての先生でも共通の知り合いはいたりする。
かなり昔の同僚の今を知ると、途端にまた身近になったりして。
あとは、アホほどメールが届く。
支部から、連合会から、と。
情報代なんだろなぁと思う。
一般人では見る事はないけど、各種通達が送られてくる。関係あるものないものあるけど。
その中で知った無料でオンラインの不妊ピアサポーター講座は受けることにしました。
15分区切りだから受講しやすい。
あとは支部のゴルフだマラソンだのお誘いメール。全く参加しないけど、参加費見て先生達はお金持ちだなーと思うと、そんな世界に近づいたのかなぁと錯覚したりして。
ちょっと意識改革には役立っているのかな?
あとは支部に出入りしてると、有料会員用コピー機があるのを見て、申請書類の印刷問題は解決できるかもと期待したぐらいかなぁ。
コンビニではまとめてコピーができないからなぁ。
官公庁提出書類は部数が多いから、家庭用プリンターではなかなかだからコピー機問題は大きい。

知らない世界に足を踏み入れたら、やっぱりちょっとは変わっていくのか、変わろうとするのか。
通常仕事の局にも道を譲るのやめた。
それはもうすぐ辞めてもいいんだよ!!って意思表示のように自分では思えた。
そんな小さな一歩がその他社労士登録にはあったよ。

時を超えて新しく13

ゲオルギーネ様・・・

わたくしは彼女ほど気高く、誇り高く、そして儚い方を知らないかもしれません。

淑女の中の淑女を皆の前では演じておられましたけれど、本来のゲオルギーネ様はそれはそれは少女のように自由で、そして器の大きな人でした。

そう。ゲオルギーネ様と初めてお会いしたのは冬の子供部屋。私より5歳年上の領主の長子。当時はジルヴェスター様はまだ洗礼式前でしたから、貴族院で優秀者にも選ばれる美しいゲオルギーネ様は、婿をとって次期アウブになるのではないかと噂されていました。

ゲオルギーネ様のいらっしゃる子供部屋は、派閥争いもなく公平で、皆がゲオルギーネ様に褒められたい、一目置いて欲しいと言わないばかりにがんばって学習していたものです。そうそう心酔して、女神のように崇めるものもいましたわね。彼もゲオルギーネ様と同時期に夫婦揃って亡くなりましたけど、とても優秀な文官でした。

子供は子供らしく、だけども時には仮面を被る事もできないといけませんよって笑ってましたね。今は素直な時間、今は貴族の時間って区切り、メリハリのある時間にしてましたわ。素直な時間には、領主一族も、上級も中級も下級もなく、身分差なしでの鬼ごっごやかくれんぼをいたしました。ゲオルギーネ様と2人一緒にこっそり隠れたカーテン裏の秘密な時間。まるでお姉さまができたみたいな気持ちになりましたのよ。後にそれを告げると、「私も妹を守る姉の気持ちでしたわ」って笑ってくださいました。ゲオルギーネ様には実の妹様がいらっしゃいますのにね。

そんな子供部屋から貴族院へ通う年齢になると、ひときわ美しくなったゲオルギーネ様が貴族院で目立つこと目立つこと。私達の領主候補生だと、鼻の高い思いをしましたわ。順位も8位まで上げられていて、座学の苦手な者の補修や予習にもゲオルギーネ様自ら積極的に関わっておられました。羨ましくていっそ成績を落とそうかと考えたものです。もちろん上級貴族の矜持からできませんでしたけど。

上位領地や先生方、王族の方からもお茶会に招かれる方でした。

当然のように縁談もたくさん届いていると聞いておりました。

他領へ嫁入りされるのだろうかと、大領地からの話でドキドキしていたものです。

ゲオルギーネ様が最終学年の時、1位の大領地のアレキサンドリアとの縁談があるというお話が出て、そのお話は進んでいるという風に聞いておりました。

そう、アレキサンドリアの次期領主の第1夫人としてのお話です。

同学年で、最優秀の座を争い続けていた、ジョルヴァージオ様と。二人を東屋で見かけたという噂話もあり、並んで歩く姿はまるで絵のようで、お似合いのお二人でした。

8位領地の姫が1位領地の第1夫人に望まれる。それがいかにゲオルギーネ様が優秀であるかということです。

ところが、正式な婚約の打診を・・・というところで、ジルヴェスター様が重病にかかり、命が危ないという状況になったのです。そうなると彼女が、この婚約を認めるはずがありませんでした。もし、ジルヴェスター様が亡くなった場合には、次代は、カルステッド様の可能性が高くなり、自身の血脈が継がれないからです。

この婚約のタイミングでの、ジルヴェスター様の重病は、神の意志だの運命だのと言って、この婚約は水に流されました。最終学年のタイミングでの婚約破棄・・・破棄までとは言えなくても、白紙に戻すということは、相手にとってもゲオルギーネ様にとっても瑕疵になりかねない最悪のタイミングです。

どんなに時の女神の悪戯を嘆いたことでしょう。

ゲオルギーネ様が、ジョルヴァージオ様がどのような思いで受け入れられたのかは、語られることがありませんでしたが・・・

ジョルヴアージオ様は、後にクラッセンブルクから第1夫人を迎えたけれど、死別し、後添いとして王族から第1夫人を娶られたと聞きました。

おそらくフェルディナンド様はそのお2人の子供なのでしょう。

そしてゲオルギーネ様は、親族のエスコートによる卒業式を迎え、卒業後の3年後に1つ歳下のカルステッド様と星を結びました。

私との婚約が整っている間に、彼女の無理やりな要望により、カルステッド様の第1夫人となることになったのです。

私の一族はそれはそれは怒りましたけれど、ゲオルギーネ様ということで矛を納めました。他の方でしたら、もっと大変なことになったことでしょう。

ジルヴェスター様はというと、半年程は患われましたが、貴族院に入学するころにはすっかり元気になっておられました。

それでも、貴族院の終わったゲオルギーネ様の縁談が難しかったのか、何がなんでも血脈に彼女の血を残したかったからの縁談なんでしょうね。

同じ夫を支える妻として見た時のゲオルギーネ様は、夫に熱い熱を感じる訳でもなく、政略結婚とどこか割り切ったような夫婦関係に見えました。

第1夫人としての役割というよりも、領主一族としての執務の手伝いに重きを置き、私に頭を下げて家の事を託されました。

そして時折こんな事を言っておりました。

「私は長くは生きられないの。いつ命の糸が切れるのかはわからないけど、私自身で決める事も、抗う事もできないの。私に何かあれば、ローズマインのことをよろしくお願いします。」

はらはらと涙を流し、私の手を握って、それはそれは真剣に頼むのです。なぜまだ20代の若く健康なゲオルギーネ様が、長く生きられないなんて言うのだろうと不思議でしたが、彼女に名を握られていたからなのだと、後にわかりました。

一体いつ名を握られたのかはわからないにしろ、自身の意思以上に強い生殺与奪の力を他者が持っているというのはとても安心して暮らせないでしょう。

まして握った相手が母であることは別としても、自分よりも年嵩で、領地中から恨みを買っている彼女です。いつ彼女の命が尽きるかわからず、かつ強制的に道連れにされる魔術なのですから。こんな魔術禁忌になって当たり前ですのに。

一体どうやって名を握られたのでしょうか・・・

賢いゲオルギーネ様がなぜ・・・それが不思議でなりません。私に語られることはなく、この世を去ってしまいましたが。

 

 

時を超えて新しく12

ローゼマインは生まれは領主一族。

育ちは平民街。育ての親は風変わりな上級貴族といった、一般的とはいえない幼少期を過ごした。

ゲオルギーネ様や、エーファミア、ギュンターから聞いた話では、プランタン・ギルベルタ商会の書庫が大のお気に入りで、常に入り浸っており、探すと必ずそこにいたという。

プランタン・ギルベルタ商会は植物紙と印刷の発明にも関わりのある商店だ。そのため、商品の記録としての博物館も持っていて、エーレンフェストの観光地の一つにもなっている。

老舗であり、下手な貴族より資金も持っている。

身喰いの魔力を有効活用する事業をいくつも持っていて、身喰いの扱いにも長けている。身喰いの見つけ方や、早期に自身の魔力に食われてしまう魔力を抜く方法を持っているようだ。広く公開できない理由は、扱いが難しく、中途半端に公開できないのだという。

ギュンターによると、少なくとも400年前からは身喰い事業はあるようで、プランタン・ギルベルタ商会に集まる魔力持ちの身喰いが、商会の者と血族になっていく事も多く、プランタン・ギルベルタ商会には魔力量の多い身喰いが生まれる事がよくあり、青色巫女や青色神官になる者も多い一族なのだという。

ギュンター自身もそうして青色巫女になった母が、上級貴族に見初められて生まれたのだと、なんにも恥ずべき事ではないといつも笑って話していた。

なんでも身喰いで魔力が大きくなってくると、やはり資産家であっても魔石の用意が難しい。

そしてシュタープもなく魔力の扱いを正式に学ぶ訳でもないので、本人、周囲の危険が高くなる。

さらに結婚が難しい。

平民にとって子供は大事な労働力でもあり、子が成せない前提の結婚は難しいという。

子が成せない程の魔力がある身喰いがいる事も、貴族達にはあまり知られていないが、よくある事なのだそうだ。

となると、結婚相手は身喰い同士か、貴族となってくる。

そうして産まれた子は強い魔力を持って▪▪▪と繰り返しているのだという。

当然その中の高魔力の子供は、貴族に、養子にいくことだってあるのだ。

「偉そうに俺を蔑むように見るやつだって、親そっくりの顔で、あの時生まれたアイツじゃねーかって思うことだってありますよ。」

秘密裏に養子縁組したってわかるときにはわかるのだ。

「まぁ、プランタン・ギルベルタ商会だって、高魔力の子が生まれたときには養子縁組先を探しますしね。商人は情報が命ですから、望んでいる家や残念な不幸があった家等に話を持ちかけるんです。そうすることが最も安全に成長できますから。魔力的には。もちろんうまくいかない場合には、戻ってくることもありますけどね」

色々とプランタン・ギルベルタ商会は自身のパイプを使って、この国の歴史を動かしているようだ。

「だから神殿のやつらにも言ってやってるんですよ!!生まれじゃなくて、自分がどう生きるかだって!!そんな自分にはどうしようもない事はぽいっとして、今の自分や未来にどんな事なら叶うのか考えろ!!ってな」

それは、神殿にいる者たちには大いに響いたでしょうね。

数奇な生まれ育ちのギュンターが言うのだからこそ、説得力も高い。

「だからローゼマイン様にも同じように言って育てたぜ。もちろんトゥーリもルッツもな。」

本当に、よい育て親に恵まれたこと。

そうしてローゼマインは、周りの目を気にすることなく、自身の好きなように、のびのびと育ったようだ。

入り浸っていた書庫で、様々な知識、古語、技術を学び、商人から、商売を、お金の稼ぎかたや交渉術を。平民の暮らしにも通じ、平民と別け隔てなく接していたという(そうは言っても良家の子女であると思われて他の子供達とは違っていたようだが)。旅商人から、他領の話を聞き、吟遊詩人に詩をねだる。面白い話は書物に!!と、商会主のベンノに直談判したという。平民の青空教室に混じって勉強する日もあれば、工房に見学にも行く。料理人に混じって料理をすることすらあるという自由ぶり。とても領主一族の娘とは思えない、想像もつかない暮らしぶりだこと。

ところが、ゲオルギーネ様はそんな話を次から次へと聞いて、それはそれは面白そうに聞き、かつもっと楽しい話を待っているわねとローゼマインを見送っていた。その時のローゼマインの嬉しそうな顔と言ったら・・・

風変わりなローゼマイン。風変わりなゲオルギーネ様。

第2夫人である私すら、ローゼマインの面会時に立ち会わすんですもの。本来ならありえないことです。

わたくしは、ローゼマインを喜ばすために、本を書き、気づくとベストセラー作家になっていましたけど。

だって、ネタの宝庫なんですもの。次から次へと出てくるおしゃべりの中の平民の話だって、貴族の話にしたらとても面白いと皆様に評判で・・・ハルデンツェルの工房も潤いますしね。こほん。

ぐいぐいと周囲を巻き込む力を持っている不思議な子でしたわ。

 

 

時を超えて新しく11

神殿は、主に貴族でない者が集う場所です。

子供用魔術具を与えられなかった者、貴族院を卒業できなかった者、シュタープを剥奪された者等魔力はあれど、貴族としては認められていない者が多くいるため、なかなか足を運び辛い場所です。

もちろん領政にとっても大事な場所なので、管理するための貴族もいますが、神殿での責務を与えられた者の多くは、落ち込み、出世を諦めると言われています。

しかし、ゲオルギーネ様は数多の者の魔力を吸い取る魔術具が神殿にあるのだから、ローゼマイン、当時はローズマインの命がかかっているんだから、試すしかないじゃないと、後のお茶会であっけらかんと言っておられましたわ。

まぁゲオルギーネ様の叔父であるベーゼヴァンスが神殿長をしていたから。というのもあったようですが。

そうしたゲオルギーネ様の機転により、ローゼマインは命をとりとめた。余談だが、吸い出したローゼマインの魔力は、常人なら上級貴族の成人であっても2つが限度の魔石を、4つ半光らせたという。

赤子でこの魔力量は規格外だ。いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な赤子。魔力暴走を起こした場合には周りを巻き込んでしまう可能性が高い。迂闊な者には預けられない。

赤子を連れて神殿に住むことは難しい。神殿の規律では、洗礼式前の子供は神殿地区には立ち入ることはできず、孤児院区域にいるものだ。孤児院に預けることはできない。必ずローゼマインには魔力管理ができる成人貴族をつけていないといけない。領主一族の娘、それも規格外に魔力の多い娘なのだ。護衛もないわけにはいかない。これはただの家の問題では終わらず、領地の問題にもなりかねない。

考えた末、ゲオルギーネ様は信頼のおける夫婦に託すことにした。騎士団の班長ギュンターとその妻エーファミアだ。このギュンターという男は変わっている。とても人懐っこく、騎士としての力も人望も高い上級貴族だ。しかし、出自が何より変わっていて、母は平民の身喰いだと公言して憚らない。洗礼前まで平民街で生まれ育ち、家門の断絶を免れるために引き取られ貴族となった。高い魔力を持っているにもかかわらず侮られることの多い貴族街を嫌い、現在でも平民街に屋敷を持ち、そこから通っている。妻のエーファミアは南のギーべ領イルクナー出身の側仕えだ。薬学や魔石の扱いに通じる穏やかなゲオルギーネ様の腹心だ。この2人に預け、平民街で主に暮らす。そして神殿やゲオルギーネ様との面会には、ギルベルタ・プランタン商会の協力を得て行うことにした。

ギルベルタ・プランタン商会はギュンターの母の実家だ。エーレンフェストでも最たる商家で、400年以上の歴史を持つ老舗だ。神殿孤児院に工房、マイン工房を持ち、ゲオルギーネ様の専属商会でもある。

商会の荷物の中であれば、赤子を秘密裏に運ぶことは難しくない。

神殿やゲオルギーネ様の所に運び面会をさせることも奉納させることも動きやすい。

そうして更に、ゲオルギーネ様はカルステッド様と相談して、ギュンターを神殿長に任命することにした。

神具の管理をする神殿長が、ちょうど空席だったことも手伝って、ローゼマインを育てるための環境を急ぎ整えたのだ。

神官長になったギュンターが、あれよあれよと青色神官・青色巫女たちをまとめあげ、あるものには執務を、そしてあるものには神殿騎士としての鍛錬を、あるものには芸術をと、適材適所に割り振り、彼らに自信と誇りを与えたのは、思わぬ副産物だ。

育った青色たちは灰色たちを教育し、灰色たちもいきいきと自身の責務を果たすようになった。

ローゼマインが2歳になる頃には、一人前の文官・騎士・側仕えができあがり、神殿はすっかり清められていた。

各々が自信を持ち統制のとれた神殿。当然のように魔力の奉納量も増えた。

ローゼマインから抜いた魔力だけでも相当の量だ。

増えた魔力は領地に。どんなに沢山あってもよいものだからと。

ところが、それでもライゼガング系のギーベ領に配られる魔力は増える所か減っていた。

おかしい。

その魔力は一体どこへ?

そう。礎の魔力に注がれていたのだ。

そして一部は、フロレンツィア様の頼みで、フレーベルタークにも流れたという。

餓死者もでている領地に魔力の融通を頼む者が次期領主の第一夫人だなんて!!

女性を見る目もないのかしら?

当時は次期領主と定められているだけのジルヴェスター様に、神殿の魔力を横流す力はなく、当然それは彼女に頼まれて行われたこと。

彼女の弟が神殿長だったからできたこと。

当然それを知ったギュンターは怒り狂った。すぐにでも噛みつきかねない勢いで怒った。それを止めたのは夫のカルステッドとボニファティウス様だ。2人は言った。必ず時が来る。来なければ起こす。そのために万人が認める証拠を集めてほしいと。

ギュンターはそんなに文官仕事は得意ではない。

しかし、神殿の中の多くの者がギュンターの味方だったから、細々とした証拠を集め、まとめてくれていた。

その証拠が揃ったことに喜び、次をどうするかというところと彼女が死んだタイミングは近かった。