つれづれじぐま

産業カウンセラーのこと、社労士のこと、日常のこと等をなんとなく書き綴ります。

時を超えて新しく9

お母様とのお茶会を終える頃、お母様の所にオルドナンツが飛んできた。
「あぁぁ、母子のお茶会は済んだだろうか?アウブもローゼマインからの帰還の報告をお待ちなのだが。」
と3回繰り返して魔石に戻る。
うひぃ~。これは呼び出しだぁ。
何かやらかした訳でもないのに、アウブの義父様、実父で騎士団長のカルステッドお父様。あとは筆頭文官位はいそうな呼び出しのオルドナンツに違いない。
しかめた顔にお母様は少し思惑顔をしつつも、
「間もなく終了いたします。母子の時間のご配慮いたみいります。半刻後にはアウブ執務室に着くよう伝えます。」
と返事を返す。
「という事でローゼマイン。お父様方の所に行っていらっしゃい。あれでも心配していたのだから。ますます髪が抜けてるんじゃないかしら」
とニヤリと笑った。
そんな、わずかの間にそんな心配される事なんて▪▪▪してない。よね?
「はぁい」
と重たい腰を上げ、退出の礼をとる。
即時連行だったため、まだ自身の部屋にも戻ってない状態だ。一応はアウブへの面会なのだから、姿も整えなければいけない。
半刻の時間はわずかだ。
「ではまたねローゼマイン。貴族院に戻るまでに会えないかもしれませんから、しっかりおやりなさい」
と、意味ありげに黒い瞳を光らせていた。