はじめて書いた2次小説が下書に残ってた。
ある日の貴族院。
領主会議の途中にそれは起きた。
「ローゼマイン!!!」
突然アレキサンドリアの現アウブであるローゼマインが光出したのだ。
「くっ」
全身ありとあらゆる神々避けのお守りを身に付けていてもこの状態か。
直ちに腕を掴もうと手を伸ばすも、ローゼマインの身体は透けていて、手は空を掴むだけだ。
ローゼマインの側近達も皆なんとか掴みたいと、無礼を承知で行うが、掴む事はできない。
苛立ちを隠せない中ローゼマインは消えた・・・
各地のアウブ、アウブ夫人が騒然となる。
ツェント・エグランティーヌが静粛にと、呼び掛けているが、半ばパニック状態で静まらない。
「静かにしろ!!」
目の前で最愛が消えたのだ。
己の無力さと神々への怒りと、何よりローゼマインの身を案じる苛立ちに、貴族の仮面なんぞ忘れて大声を上げる。
しん・・・一瞬の静寂が起き、はっと我にかえる。
ツェントの元に赴き、緊急事態であるため、領主会議の時去を申し出る。
名代として、ユストクスを始めとした文官を数人残し、直ちに上空へと向かう。
あの老木め、ローゼマインに何かあれば即座に切って焼いてやろうぞ。
全身に苛立ちを出し、目の色は虹色に変わっている。
ユストクスに代わり、ハルトムートが魔石をあてるが、即座に金粉へと変わっていく。
魔力を叩きつけ入った始まりの庭には、老木と、もう一人。水色の長い髪の者がいた。
「ローゼマインを戻せ!!」
今にも元神に攻撃を出せるようにと、ライフル仕様の水鉄砲を抱え走りよる。
水色の髪が誰だか知らないがローゼマインでなければ攻撃対象だ。
「クインタか。この者をなんとかせよ」
こちらの様相はものともせず、元神は呑気に話かけてくる。
「知らぬ!!ローゼマインをどこにやった!!」
抱えた水鉄砲で打つと、当たる前に闇のマントが飛び出し、その魔力を吸収する。
「邪魔をするな!!」
水色の髪の者に水鉄砲を向ける。
その姿は!!?
「ローゼマイン!!?否、違うな。そなたは何者だ!!?」
空色のような水色の長い髪は真っ直ぐに伸び、少し編み込んでいるものの上げてはいない未成年の髪型だ。
瞳の色は月のような金色。
服装は貴族院の制服だろうか。
だがその姿は、ローゼマインの、アーレンスバッハで再会した頃のローゼマインにそっくりだった。
「相変わらず、アウブの事となると見境がありませんね」
水色髪の少女は、困ったことと、言いながらアンゲリカのように首を傾げる。
その姿までローゼマインにそっくりだ。
「そなたは誰かと問うている。質問に答えよ」
イライラと、水鉄砲を構え再度問う。
「お父様」
問われた者はと小さく呟いた。
処理落ちをしたフェルデナンドの後ろでハルトムートが、神に祈りを捧げはじめた。
「お父様?・・・私の娘だと言うのか?生憎身に覚えがないが?」
ローゼマインとは前の春に星を結び、名実共に夫婦となったがまだ子はいない。
いたとしてもこんなに大きな子供がいる訳はない。
水色の少女は蟀谷をとんとんと叩き、「あー」と考えこんでしまった。
その場にいた誰もが思っていた。
神々案件。
この少女は姿形から想像するにはローゼマインとフェルデナンドの娘であろうと。